スカートで行く、インド

北海道情報と毎日のアウトプットブログ

最終的に候補に残った物件は、パリ内の交通機関の乗り換えが便利で街の中心のシャトレー(東京なら品川。新宿?雰囲気は渋谷かな)まで2、3駅という立地条件・治安の良い場所。もちろん周辺の物価は高く、値段の割に部屋は狭く洗濯機はない(1〜11区内で賃貸で家電あり物件を800ユーロ以内(管理費込)で探すと洗濯機なしは結構ある。2011.06.01現在)ステデュオと言われるいわゆるワンルーム、キッチン組み込みの部屋である。建物の外観は歴史的な美しさもキープしつつ内装はリフォームされたばかりで家具類も新しく、何より水周りも真新しいというのは魅力的だった。他の人々から水周り(っていうか配管)でハズすと大変というのはさんざん聞いていたがそこはクリアしているし部屋自体がとても小綺麗。
ただこの物件は、元は2,3部屋付きの普通のアパートメントをリフォームによって分離した物件なので玄関らしいものがない。ベランダを無理やり入口(玄関)にしたのである。サザエさんの家の縁側が玄関になったと想像していただきたい。(幅は2分の1だけど)。ガラス引き戸だけでは丸見えなので、外に大きな雨戸(大きな木の扉)が付いている。
夫が不動産屋での仮契約の帰り道「ところであの入口の雨戸って、中から鍵かけれるよね?」と言うのである。確かにドア、鍵の頑丈さはチェックした。けど外からのみしか見てない…玄関的な役割をする雨戸のクセに内側から鍵かからなかったら…「いや内側からの鍵もついてる決まってるでしょ。じゃないと家にいるときや寝ている時、危ないじゃない」
話が複雑になってくるので一般的なパリのアパートの構造を説明。
■1.まずこのように道路・歩道・そして建物が歩道ギリギリにそびえ立つ。

■2.1階には事務所や路面店があることもある。そんな店と店の間にポツンとあるドア。ポツンと言っても、

例えばこのお姉さんの後ろにあるような鉄の重厚な扉もあれば、木のドアもありえる。色は赤・青・緑・黒・木の色そのまま、などまあ景観から浮かない程度に色々ある。
これらのドアの横にある暗証キーを押す(または鍵を鍵穴に突っ込む)と…
■3.重厚な扉は開き、中庭や更にまた別のアパートメントなどがあったりする。余談だがどの部屋も渡り廊下か窓が中庭面しているという構造が多いので採光をとりやすいという利点がある。

雨戸の疑問点に加えて、仮契約したアパートメントは他の家もリフォーム中なので通りに面している■1のセキュリティがしばらく解除されっぱなしらしいことも聞いていた。建物入口のセキュリティもフリーで、かつ雨戸(しつこいけど私達にとっての玄関)の鍵も不十分だったら…フリーすぎる。
元からセキュリティセキユリティと騒ぐほど高価なものなどもっていない私達だけど、パリのど真ん中でセキュリティが甘い物件に心安らかに住めるほど度胸もコネ(何のだ)も無い。千歩譲って私物を盗まれた時の予想被害金額は大したことなくても、侵入されて部屋の破損なんかされたら弁償なんかしきれないわけ。先日ネットーサーフィンしている時に、夫からの「仏語勉強する時間でしょ」という叱られ声を右から左に流しながら得た情報なんだけど、massaさん(http://massa33.blog50.fc2.com/)という方の勉強になるブログにて物件探しの時の留意されていることの中に、

シャッターはちゃんと機能するか?各窓にはシャッター(雨戸)が付いてある。ちゃんと閉まるかどうか確認。動きが悪い場合は修理を交渉。(長期不在時、シャッターを閉めていない状態で空巣に入られた場合、保険は下りない。)
http://massa33.blog50.fc2.com/blog-entry-26.html#more

を思い出した。
繰り返すがあの物件にとって雨戸はただの雨戸ではなく、本来ならば玄関の扉に値するものである。massaさんの『ちゃんと閉まるかどうか確認。動きが悪い場合』というもっともな注意点に擦るどころか鍵が閉まらない、っていうかそもそも鍵すら無いじゃ笑い話じゃすまないと思い、住んでいる人に急いでで電話で確認すると
「内側から雨戸の鍵は閉まらないですよ。外出する時に外からだけ鍵かかります」
チーン。翌日不動産屋に行って仮契約の取消に行った。
不動産屋さんのオーナーさんいわく「大丈夫、日本人ずっとあの家の物件住んでたけど皆気にしてなかったし、危険なことないよ」。いやいや皆良くて(確かに先住の方は気にしていなかった)皆安全だったとしても私たちのときに事件に遭って借金背負ったり万が一死ぬかもしれないし…「申し訳ないけど契約は白紙に戻してください」
不動産屋オーナー「大丈夫よー。よし分かった!今から大家に電話して雨戸の内側に頑丈な鍵つけてもらう!それならいい?」ってことで不動産屋オーナーが大家に電話…ハンズフリーのにした受話器から虚しく響く『ただいまバカンス中ですetc』大家の留守電のメッセージ…オーナー「じゃあ大家さん戻ってきたら…」
私「フランス人の”そのうちやる”は”すぐやる”じゃないのはご存知ですよね?」
アジア人同士(オーナーはアジア圏の人)の親しみを込めてオーナーに同意を求める…オーナー「フランス人バカンスとりすぎよ!」夫、苦笑い
長いので後日。