スカートで行く、インド

北海道情報と毎日のアウトプットブログ

[映画]

残された時間でとりあえず見ておきたい映画をまとめて観ている。『太陽を盗んだ男』『吉原炎上』『ガタカ』。
hitomiさんから紹介していただいた『太陽を盗んだ男

まず最初に断っておくことが2点。
この映画には矛盾が多い。多すぎて制作側は意図していないだろう箇所で「ぶはっ」っと笑けてしまい実に良い。次に、この映画は恐らく地上波・ケーブル含め放映されることは今後数年はない、いや二度とないかもしれない。あらすじを一言で言うなら(ウィキペディアより拝借)

”原爆を作って政府を脅迫する”という奇想天外なアイデアの日本映画

今回の震災以降、原発や原爆の登場を”奇想天外”とかで済まされる映画を含めるアートは日本で生まれないだろうし公になることもないと思う。
だいたいこの映画を作れたことが大いに謎である。当時だって右翼・左翼、原爆実験も出てきて人々の反応・意識も過敏になっていた時代であるはず。
この映画についてのウィキペディアの紹介文がいちいち的確で困る。

シリアスで重い内容と、ポップでエネルギッシュな活劇要素(人を食ったようなプルトニウム奪取や原爆奪還など)が渾然となった邦画としては他に類を見ないエンターテイメント作品

私が感じていた矛盾とは『人を食ったような』と表すほうが近い。

「笑う原爆」というタイトルを予定していたが、東宝サイドが映倫の許可が下りないと難色を示したため、準備稿の段階ではひとまず「日本 対 俺」という仮題で製作を進め、

『日本 対 俺』。なんちゅータイトル。このネーミングセンスは森本レオの芸名逸話に通じるものがある。

ミッドナイト東海』のパーソナリティを務める際、自分を指す第一人称として『俺』を使わせて欲しいとスタッフに頼み込んだが、当時は放送局の自主規制で許されなかった。そこで芸名を『森本オレ』にするから、自分の芸名として『オレ』を使うのはいいだろうと食い下がったがこれも拒否。仕方なくオレを逆さまにして『玲夫(レオ)』とした。後にカタカナに改め、現在の芸名となる。(森本レオに関するウィキペディアより抜粋)


”当時1979年、いくらきわどいものが今より通っていた時代とはいえスムーズに制作から公開に至ったのだろうか?”という疑問は、

監督の長谷川自身が「胎内被爆児」であり、「原爆」という題材にのみ過敏になって映画撮影中に抗議に来たある活動団体に対して、自分の「特別被爆者手帳」を見せて説明し、納得させたという。

このエピソードで納得し、一方で、

しかし公開前のキャンペーンのテレビ番組で「ジュリーってゲンバクのように強〜イ男」という番組サブタイトルを使ってしまい、番組スタッフが抗議を受けるという場面もあった。

人間は個だとできないことも集団になれば実現できることもある一方、個だとブレないのに集団になるとバカな奴が出てきて問題を起こすという良い例だと思う。
例によって私のレビューと言えるものもなく、しかしこれらの抜粋で十分にこの映画の素晴らしさが伝わったと思います(え?
池上季実子がチャーミングすぎて困る。昔、ああいう年上のお姉さんいたな。今の自分はきっとあの頃の池上季実子くらいの年齢だろうけど、まずああいうキャラでもないが、そもそもあんなにスマートに人と接することなんてできない。いつかできるようになるだろうか?
女を海に投げるジュリーがかっこいい。投げられたくないけど。
hitomiさん、本当に教えてくれてありがとう。
私の洋画(アジア圏含む)ナンバー1映画は『さらば、わが愛覇王別姫』、邦画は『どですかでん』。しかし邦画アクション映画部門ではぶっちぎりで『太陽を盗んだ男』はナンバー1です。