スカートで行く、インド

北海道情報と毎日のアウトプットブログ

写真を趣味ではなくメモ代わりに撮る自分のカメラから出てくるものは、象徴的な何かが写っているというより”観光名所行っておいてそこにあった街灯の写真ばかりって何…”という類の写真が多過ぎる。自分が住んでいた場所の写真など恐らく5年後に見たら自分でも「これどこ?」と分からないだろうな…。

                  • -

20区(場所によっては19区)のBelleville駅が最寄りの場所に住んでいました。地下鉄の乗り換えがしやすい、パリの街中でありながら物価が安いことが魅力。
悪いところは沢山ある。
治安が悪い。薬もやらず夜遊びもしないパリ育ちの夫だが、18、19、20区に住むのを嫌がっていた理由はこれ。昼夜問わず中国人のたちんぼが常駐。中国人マフィアをはじめとして顔を明らかにされたくない人がたくさんいるのでBelleville周辺では写真撮影厳禁。ブログ等で撮影中に暴言吐かれたり絡まれたという人が多いようですがそういいう街。壁のアートや店の写真を寄って撮るならセーフだけど街の風景を撮るために遠目に撮影することは止めておくべき場所。
けど、基本夜20時頃には家に戻り夜遊びをしない私たち夫婦にはこの治安の悪さが自分の生活を妨害してくることはなかった。裏の世界で生きてる人たちと普通の人の間にそもそも関わりがない。中国人・アフリカ系黒人・アラブ系の人たちが営むダークな世界は、日本のように学生や若い女の子を募って売春に引き込むという世界とは違う。Bellevilleでは一回2000円が相場で、あちこちに見張りがいるので彼女たちに自由はない。
話が逸れた。各国の食材が多く入りレストランも多いという意味でも便利ではあった。中国、ベトナムカンボジアにちょっとだけ日本。チュニジア、モロッコレバノン、アラビアン。
しかし世の中なかなか楽しく安全にバランス良く、とはいかないようで日常的にドラッグ常用者はウロつき夜になるとアルコール中毒者が徘徊する非常に物騒な街だった。
なんでこんな街に住んだのか今となっては夫と2人で頭をかしげます。
治安が悪い街、って言われるともっとわかりやすく酷いのを想像していた。夫も当初は、20区なんか嘘でしょ、と目もくれず、たまたま気になる物件を取り扱う不動産屋がBellevilleにあり「他の物件見る?」って言われたのがはじまり。で、Bellevilleにある他の物件とやらは尚良くて半日ほどいると街も言うほどじゃなくない?と2人とも錯覚しだした。
しかし仮の住まいで一年以内に引越し予定だったとはいえ、十分環境が悪かった。ハハ…

                      • -

パリにある名もなき歴史的建造物のひとつにすぎない賃貸アパートメントですが、その美しくしさについては考えるところがいっぱいあった。

↑実際に自分が住んだ物件の天井部分。照明の付け根。
普通の天井に、木で出来た細工済みの枠組みを取り付けてその上から天井の色に合わせたペンキが塗ってある。
これはリフォームするときに自分で取り付けることもできて、木製とプラスチック製とで2つあり、もちろん木製のほうが仕上がりに高級感がある。写真のように照明の設置部分のほか、天井の角や、腰壁(部屋の壁の下のほうにある額縁みたいな飾り)など色々な用途のものが売っている。パリ市内だとhotel de ville駅で下車するとBHVという東急ハンズみたいな大型デパートがありそこにも売ってます。(パリ郊外ならホームセンターにもある)
うちはリノベーション物件ではあったけど外も中も非常に古く階段やドアや窓枠などとにかく無駄にデコラティブで笑った。見てる分に美しいが隙間風はあるし、きしむし、

(↑見た目だけはかっこいい雨戸)
どこもかしこも開閉時にはギーギー音が鳴っていた。この物件は天井は3m50センチ以上(それ以上計測不可能)で広さが無い割に開放感がすごかったのだけど電球の取替えやカーテンの付け外しがめんどくさすぎてはっきり言って住みづらい。しかしこれは贅沢言ってられないようで、知人・友人宅も暖炉があったり洞窟風であったりで「かっこいー!」という感想…はお邪魔して5分で終わり、その後続く住居人から水漏れだのネズミだの、リフォームするときに窓枠と壁にペンキ塗り直してもらったときに目張りせずにやったため、窓がペンキで固められて開かなくなった(←プロの仕事)など本人以外は笑える不満話を聞くことになる。
こんなヨーロッパ的残骸に実際に住むのは、近年私も含む移民が多いわけで、基本レースのカーテンは愚かカーテンすらしない多くのアパートメントの窓からは国際色豊かな内装と雰囲気が四六時中垣間見れる。
賃貸アパートメントは家具付きが多く、私の物件の前の居住者はある仏教国国籍をもつ若者だった。部屋のオーナーである親が買い揃えた重厚な家具と、独身男性の独り住まいでありながら赤、パッションピンク、金色で装飾された花飾りやお釈迦様の像で溢れたその部屋は異色を放っていた。

↑引越し前日の写真。
お釈迦様の数々も華やかな花飾りやらも宗教的なものなのでレンズに入れることをは自粛したが、西洋と東洋が混じったインテリアでした。(と思ったら棚に置き忘れられたお釈迦様が…)
それにしても、クロスを使わない壁というのはいいね。パリ市内にも日本と同じような近代的なマンションが出来てきているようで、壁紙ひとつでこうも天国と地獄に分かれるものかと…当然パリの味気ない最近の物件はクロスを使ってあってダサイ。日本の新築マンションよりださい。